1.胆膵InterventionのThree Pillars
ERCPによる総胆管結石治療や閉塞性黄疸に対する胆道ドレナージなど一般的な治療はもちろんのこと、胃切除Roux-en-Y再建術後の総胆管結石や膵頭十二指腸切除術後の胆管空腸吻合部狭窄など消化管再建術後例に対するバルーン内視鏡を用いたERCPでは国内で一二を争う経験と実績があります。また、ERCP不成功あるいは困難例に対する超音波内視鏡下胆道ドレナージ、膵仮性嚢胞や感染性膵壊死に対する超音波内視鏡下嚢胞ドレナージなど、Interventional EUSの経験も豊富です。ERCP、Interventional EUSといった内視鏡治療だけでなく、PTBDも自分達で施行できるのが強みです。Idea, Technique, PassionのThree Pillarsで治療困難な患者さんを笑顔にするために日々頑張っています。
2.膵・胆道癌のtotal management
日本大学では我々消化器肝臓内科と消化器外科が密接に連携し、膵・胆道癌の診療にあたっています。診断から治療まで内科と外科の協議で決定し、内科では手術適応のない患者さんに対する薬物療法を行っています。膵・胆道癌では多剤併用療法が治療の中心であり、抗腫瘍効果が期待される反面、細やかな副作用マネージメントが大切です。また、近年では高齢癌患者さんが増加しており、Performance status、認知機能やサルコペニアなどに注意して治療にあたる必要があります。加えて、個別化医療が注目される中、東京大学医学部附属病院と連携し、がん遺伝子パネル検査を行っています。膵・胆道癌では閉塞性黄疸、悪性消化管閉塞のマネージメントが薬物治療を安定して継続するために重要ですが、当科では胆管ステントや消化管ステントといった内視鏡治療も高いレベルで行っています。
3.未来につながる研究・開発
トランスレーショナルリサーチとして膵・胆道癌の予後因子に関わるバイオマーカー開発、他科や地域とのコラボレーションとして膵癌早期診断の構築を図っています。消化器外科と共にJCOG肝胆膵グループ、JHON-HBP(日本肝胆膵オンコロジーネットワーク)にも参加し、膵・胆道癌の治療開発を目指しています。悪性胆道閉塞や急性膵炎を対象とした他施設との共同研究にも積極的に参加しています。より安全・確実な胆膵治療を行うために内視鏡やデバイスの開発にも携わっています。