教授ご挨拶

このたび、令和4年4月1日付で、日本大学医学部内科学系消化器肝臓内科学分野主任教授を拝命いたしました、木暮宏史と申します。これまでの日本大学の伝統を大事にしながら新しい風を吹き込み、日本大学消化器肝臓内科がさらなる発展を遂げられるよう尽力してまいります。
「慈心妙手」「高きを仰ぎ最善を尽くす」をモットーに、患者さんを思いやる心を持って優れた技術で診療を行い、科学的な精神も併せ持った消化器内科医を育成したいと考えております。

消化器内科医としてのあり方

  1. 目の前でつらい思いをしている患者さんに寄り添い、高い技術で最善の治療を提供する。
  2. 他院や院内他診療科からの紹介患者さんは二つ返事でお引き受けしてできる限り多くの患者さんの診療に当たる。
  3. そのようにして積み重ねてきた診療データを基に、新しい治療や技術の確立のための取り組みも積極的に行い、自分たちが直接診察する機会のない患者さんにも恩恵をもたらす。

これらは日本大学医学部の教育理念である「醫明博愛」の「醫明」が持つ2つの意味、醫療により病める患者に光をあて「あかるくする」、醫学の疑問に対し研究をかさね「あきらかにする」ということに相通じるものがあると思います。「慈心妙手」、すなわち患者さんを思いやる心を持って優れた技術で診療を行い、科学的な精神も併せ持った消化器内科医を育成するために、「醫明」の3つめの意味、醫学を学ぶ者に熱意ある教育によりその門を「あける」を実践して後進の教育に取り組んでいきたいと考えております。若手消化器内科医は内視鏡などの技術の上達ばかりに目が向きがちです。時に患者さんのためを思ってではなく、自分がこの手技をやりたいからという気持ちが先に立ってしまうことがあります。手技に溺れることなく、真摯に患者さんに向き合い、現状に慢心することなく「高きを仰ぎ最善を尽くす」医師としての心構えを育みたいと考えております。
各人の個性を尊重し、個々の適性に応じた得意分野で最大限の能力が発揮できる、多様性のある医局にしたいと思います。アカデミア、市中病院、開業など様々なキャリアパスがあります。皆がスペシャリストを目指す必要はなく、優れたジェネラリストになれるように、胆膵・消化管・肝臓のグループ間の垣根を低くして、広く専門知識と技術を習得できるようにします。今までの自分自身の経験と培った国内外の人脈を活用し、スペシャリストとしての自信と情熱を持って世界におけるトップランナーを目指す人材も育成していきたいと思います。

日本大学医学部内科学系 消化器肝臓内科学分野
木暮 宏史